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総合病院で総合医療は受けられない

現在、医療機関には、DPCという包括支払い制度を導入している病院があります。
いわゆる一つの病気に関する入院治療をパッケージ化して定額料金にし、医療費を削減するというシステムです。
しかし、高齢者の場合、複数の疾患を抱えていることがほとんどです。
この制度は、糖尿病で入院すれば、その治療にあたるだけなので、その期間にほかの病気の治療をおこなうことはありません。
しかし、最近では、一度の入院で、複数の病気を取り扱うという親切な病院も増えてきています。
ですが、もらえる診療報酬は、どちらか一方だけなので、できるだけ寄り道は避けたいというのが病院側の本音です。
この制度に戸惑い、DPC病院に入院中の患者やその家族が、地域のクリニックにほかの疾患に対する治療薬をお願いにくることがありますが、DPC病院に入院中の患者に対して、クリニック側から薬を処方することはできないことになっていますので、きちんと理解しておきましょう。
導入病院は、全国に1500ほどあり、いわゆる総合病院や大病院、急性期病院のほとんどが対象です。
総合病院なのに、総合的に一度に診ることができないという時代になっています。

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